著者: スティーブン・R・コヴィー
訳者: ジェームス・スキナー、川西 茂
出版社: キングベアー出版
中学生の頃、恩師から「これはきっと役に立つから読んでみなさい」と勧められたのが『7つの習慣』でした。 当時の私は、自己啓発という言葉すら知らない年齢で、内容のすべてを理解できたわけではありませんでした。それでも、ページをめくるたびに“人として大切な姿勢が書かれている本だ”と感じたことだけは、子供心にも強く残っています。
その後、受験期を迎える頃になると、本書の考え方が少しずつ自分の中で輪郭を持ち始めました。 「主体的であること」「目的を持って行動すること」「大切なことを優先すること」。 これらは勉強の効率化のテクニックではなく、むしろ“自分がどう生きるか”を問う姿勢そのものだったと感じています。 不安や焦りに飲まれそうになるとき、この考え方が心の支えになったことを今でもよく覚えています。
社会人になってからは、その影響をより強く実感するようになりました。 異動でまったく新しい分野を任されたとき、昇進でより大きな責任を担うことになったとき、そして海外で働く環境に身を置いたときなど、節目のたびに『7つの習慣』で学んだ価値観が自分の判断や行動の根底にあることを感じました。
新しい領域に挑むときほど、「主体的であること」は大きな力になります。 経験が浅い分野でも、自分で学び、自分で動き、自分で選択する姿勢が状況を切り開いてくれました。 また、「目的を持って行動すること」は、異動直後の混乱や情報過多の中で、何を優先すべきかを見失わないための羅針盤になりました。 昇進して視野が広がるほど、「大切なことを優先する」という習慣は、組織の中での意思決定やチーム運営において欠かせない指針となったと感じています。
振り返れば、『7つの習慣』は私にとって、派手な自己啓発書ではなく、人生の節目ごとに静かに効いてくる“思考の基盤”のような存在でした。 中学時代に読んだ一冊が、受験期を支え、社会人としての挑戦を支え、海外での経験や管理職としての判断を支え、長い年月をかけて今の自分を形づくっています。
これからも、異動や昇進、新しい責任を担う場面に直面したときには、本書を手に取りたくなるだろうと思います。 『7つの習慣』は、私にとって「原点に立ち返らせてくれる本」であり、どんな環境に身を置いても自分の軸を整えてくれる、静かで力強い伴走者のような存在です。

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