入社して数年の間に、それまで未経験だった画像処理のアルゴリズム構築の仕事に携わる機会がありました。画像処理の技術を体系的に学びたいと考えた私は、インターネットで調べて検定試験を受験することで一通り学ぶのと、自信を付けるのに役立つと思い取り組みました。
検定概要
試験を開催する団体はCG-ARTS (公益財団法人 画像情報教育振興協会) であり、試験の種類としては、「CGクリエイター検定」「CGエンジニア検定」「Webデザイナー検定」「画像処理エンジニア検定」「マルチメディア検定」の5種類があり、それぞれの検定において「エキスパート」と「ベーシック」の2種類がありました。わたしは駆け出しのエンジニアとしての自負があったので、「CGエンジニア検定」と「画像処理エンジニア検定」の「エキスパート」を受験することにしました。
CGエンジニア検定
文字通り「CG分野」の開発や設計を行うエンジニア、プログラマのための検定です。試験範囲の大枠は以下と規定されています。
・CGとディジタルカメラモデル
・座標変換とパイプライン
・モデリング
・レンダリング
・アニメーション
・画像処理
・資格に訴えるグラフィクス
・CGシステム
・知的財産権
・関連知識
参考書としては、協会が出している「コンピュータグラフィクス」と「ビジュアル情報処理」を使用しました。
画像処理エンジニア検定
文字通り「画像処理分野」の開発、設計に必要な知識の習得を評価する検定です。試験範囲の大枠は以下と規定されています。
・ディジタル画像の撮影と画像の性質, 色空間
・画素ごとの濃淡変換と領域に基づく濃淡変換
・周波数領域におけるフィルタリングと画像の復元, 生成
・幾何学的変換
・2値画像処理と領域処理
・パターン, 図形, 特徴の検出とマッチング, パターン認識, 深層学習による画像認識と生成
・動画像処理, 画像からの3次元復元, 光学的解析
・画像符号化
・知的財産権
参考書としては、協会が出している「ディジタル画像処理」と「ビジュアル情報処理」 (CGエンジニア検定と共用) を使用しました。個人のバックグラウンドにもよりますが、私はCGエンジニア検定よりも画像処理エンジニア検定の方が難しく感じました。
勉強方法
上述した参考書を一通り読んで、過去問を解いて勉強しました。過去問については協会のホームページに数回分アップロードされております。実務で使用していたこともあり、学習にあまり時間を掛けなかったように思います。
試験結果
エキスパート2教科を併願で受験する場合、150分の2教科解くことになります。いずれも70%の得点率で合格となります。わたしは前半でCGエンジニア検定を75分以下の時間で解き、その後、画像処理エンジニア検定に十分な時間を掛けて解く方針で臨みました。当日の時間配分は方針通りにできたと思いますが、結果は「CGエンジニア検定」:合格、「画像処理エンジニア検定」:不合格、でした。一勝一敗ですっきりしませんでしたが、学習前後で画像処理に関する理解は間違いなく深まったので、あまり結果を気にしないことにしました。また、機会があればリベンジしたいと思います。
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